戦国東都実況体験記 ①「実況ブースは特等席」 梅野凌矢(東京大学大学院)

今回、初めて東都大学野球秋季リーグの実況を担当しました。私は、これまで実況の経験が全くなく、一度だけスポーツ実況の講習会に参加した程度のものでした。講習会では「スポーツ実況とはどのようなものか」ということを座学で教わりましたが、実際に体験してみると、思っていたのとは違って新しい発見がいっぱいありました。

グラウンド、観客席、両校のベンチ、一面の青空。実況席は、これら全てを一望できる特等席です。初めて実況ブースに入ってこの景色を目にしたとき、「自分は今日、ここで実況をするんだ」という実感に胸が高鳴りました。

テレビ中継の裏側を見るのも初めてでした。カメラ担当や音声担当の方々など、たくさんのスタッフが一丸となって一つの映像を作り上げる姿を目の当たりにして、その映像に自分の実況が加わることの責任感を強く感じました。

しかし、肝心の実況の中身は反省点だらけでした。同じ表現を何度も繰り返してしまったり、注目すべき場所を間違えて試合の状況を追いきれなくなってしまったり。スタッフの方のサポートもあり、試合が進むにつれて少しずつ改善はされていきましたが、とにかく課題だらけの実況デビューでした。うまく話せなかったことよりも、会場の熱気を視聴者の方に十分に伝えられなかったことが、とにかくもどかしくて悔しかったです。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で実際に球場に足を運ぶことができない方々が多くいらっしゃる中で、スポーツ中継の果たす役割はますます大きくなっています。大会に向けてずっと準備をしてきた選手の方々や応援に駆けつけた観客の方々、一つの映像を作るために一丸となって動いているスタッフの方々。球場には、本当にたくさんの方々の思いが集結していることを、実況を担当したことで身をもって体感しました。文字にするのは簡単ですが、これは実際に体験してみないと味わえない感覚だと思います。そして、「自分は、この熱気を言葉でより鮮明に届けられるようになりたい」という気持ちが一層強くなりました。そのためにも、これからも積極的に様々なスポーツの実況に挑戦していきたいです。次は、選手一人一人や大会に関する情報を徹底的に充実させた事前資料とともに臨みます!

改めて、貴重な体験をさせていただいたことに感謝いたします。ありがとうございました。

梅野凌矢(東京大学大学院)