戦国東都実況体験記④「私が伝える情報は視聴者にとっては大きな情報になる」井出一崇(青山学院大学)

この度、東都大学野球秋季リーグ戦の実況を担当させていただきました。実況のお話を頂いたときは、嬉しい反面「自分が最高峰の大学野球リーグの実況をこなせるのか」と不安に思っていましたが、情報を集めていく中で、野球部だった時のことを思い出し、親近感が湧きました。選手の中には、自分と同じ時期に白球を追いかけた甲子園のスターや、地元で有名な選手もいて、名前を見つけた時は嬉しくて「ここに進学していていたのか」と楽しみながら準備を進めました。

試合当日、神宮球場に行きましたが、訪れたのは初めてのことで、「“初神宮”が実況席とはとても贅沢だなあ」と感じながら、実況席へ向かいました。実況席には中継の設備があり、周囲にはたくさんのスタッフがいて、予想以上の光景に見入ってしまいましたが、すぐに切り替えました。

担当した立正大学対亜細亜大学の試合は11回裏に亜細亜大学がサヨナラ勝ちを決めた劇的な展開のゲーム内容で、終えた直後は「決定的な一瞬を逃さない」という実況の一番基本的なことが一番難しいと痛感しました。一方でファインプレーの瞬間にとっさに出た言葉がスポーツブルのTwitterアカウントでそのまま使われていたのは嬉しかったです。反省点は、サヨナラの瞬間を盛り上げられなかったことで、代打サヨナラタイムリーという決定的な瞬間に実況で花を添えられなかったことを悔しく思います。

実況の中で私が特に気を付けたことは、絶対に間違った情報を伝えないことです。「島」は「しま」なのか「じま」なのか、「崎」は「さき」なのか「ざき」なのか選手一人一人の氏名を確認しました。選手について詳しく知ってもらうために高校の成績、昨年までの成績、前日の成績を徹底して準備しました。情報の少ない大学野球で私が伝える情報は視聴者の方にとっては大きな情報です。何度もSNSや雑誌で確認しました。視聴者の方に正確に情報が届いていれば幸いです。

先日行われたプロ野球ドラフト会議で私が担当した大学から巨人にドラフト1位で指名された平内投手をはじめ合計6名の選手が支配下で指名されました。将来のプロ野球選手とこのような形で関われたことを嬉しく思います。ドラフト会議を最後まで視聴し指名された瞬間は勝手ながら私も喜んでいました。

井出一崇(青山学院大学)