UNIVAS CUP実況体験記「解説の方が話しやすい様な"パス出し"を意識」平野康太郎(法政大学)

先日勤めさせていただいた東都大学野球の実況に続き今回は、全日本大学レスリング グレコローマンスタイル選手権大会の実況をさせていただきました。 

レスリングは、オリンピックの試合を見た事がある程度という私でしたが、野球実況の経験を上手く活かし、落ち着いて取り組む事ができました。ルールを覚えることから始め、専門用語を勉強。そして当日は、解説の方と共に実況しました。解説員は、青山学院大学の長谷川恒平監督と、九州共立大学は藤山慎平監督のお二方。交代で解説していただきました。このお二方の解説の元、掛け合いを大切にしながら実況できたことが大きな経験になりました。実況を務める私が大切にしたのは、話を引き出す事です。解説の方が話しやすい様なパス出しをすることを一番に意識しました。そこで感じられたアナウンサーのアシスタントとしての側面は、とても大きな気付きでした。

 

序盤、選手の戦績が分からず、試合展開を、その構図を掴みづらい部分がありました。その点を決勝戦前に調べ上げて整理したことで、上手く修正できました。決勝戦後半3試合は、無駄のない実況ができたと現場のディレクターの方からも言っていただき、嬉しかったです。試合前の下調べがいかに重要なモノなのかを再認識する機会となりました。

そして今回、試合後の優勝インタビューも務めさせていただきました。人生初めてのインタビュー。この大会を制した選手に、リスペクトの気持ちを持って話を聞きました。限られた時間の中で、選手の言葉や、込み上がってくる感情を引き出すことがいかに難しいかを痛感しました。しかしその中でも、選手の目をしっかりと見て、頷きなどのリアクションを取ることで選手話しやすい環境を作ることは意識しました。

また、私自身の陸上競技の経験を活かせた場面もありました。試合後の振り返りコメントを、実際の部活動の現場をイメージして伝えられたことです。九州共立大学の藤山監督がコロナ禍での練習に触れた際に、「その期間に自分自身、そして競技に直向きに向き合った選手が勝利を収めているようにも思います」とコメントできました。そして実際に、その後の優勝インタビューで、77kg決勝を制した下山田周選手(日本体育大学)から、「賭ける想いは他の人よりも何倍も上だったと思う」という言葉を聞いた時に、あのコメントを言えて良かったと、選手の日頃の努力を少しは伝えられた気がしました。

このレスリング実況を通して、実況アナウンサーの工夫次第で、中継はいくらでも変化するんだと、その責任感の重さ、やりがいを改めて感じられた一日になりました。これからも色んなスポーツ現場に訪れ、その魅力を発信していきたいと思います!

平野康太郎(法政大学)

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